今回は私たちの世代の男性が十分にかかわってこなかった出産をめぐる話でした。
語り手の田口さんは助産師として1500人以上の生命の誕生にかかわった方です。会場はいつもと異なり、若いお母さんが多く、乳幼児同伴の方もおられ、和やかな雰囲気でした。
お話は1個の卵細胞が受精により胎内で分裂を繰り返し、約10?月を掛けて人体に成長することこの過程は39億年に及ぶ地球上生命の進化の歴史の再現であることに始まり、出産は胎児が従属栄養から自立栄養に移行する瞬間であることなど手作りの赤ちゃん人形などを用いて説明されました。
また、出産時の陣痛が単なる痛みではなく歓びを伴う母子の共体験であることを述べられ、これを経験できない男性の一人として感謝、羨望の複雑な気分でした。
現代は「生病老死」がますます日常生活から遠ざけられ、多くが病院等の施設に依存する時代です。これが、命を軽んじる風潮の一要因との指摘もあります。
今回のお話を聞き、家庭や助産院での見守り出産が生命の尊厳を家族で共体験する良い機会になる気がしました。
川地 武 記
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